古来、ネイティブアメリカンは自分たちが暮らす地域の環境に順応し、自然と共生しながら部族の伝統や風習を守ってきました。自然の営みと共に生きる中で彼らが作り出したジュエリーには、部族のアイデンティティと結びついたスピリットが注ぎ込まれています。
ラリースミスは、ネイティブアメリカンの文化、精神、モノ作りの姿勢をリスペクトするシルバースミスの林田吉史が、2009年にスタートさせたブランドです。
1880年代から1940年代にネイティブアメリカンが手間と時間をかけて作ったジュエリーにインスパイアされた林田は、ネイティブアメリカンの伝統的な技法や工程をベースにしつつ、そこに日本人の技術と感性を投入。自然界から得たモチーフを用い、あるいはターコイズをはじめとする天然石を使用し、つけ心地にまでこだわった独自のジュエリーを作り出します。その洗練されたデザインや繊細なスタンプワークは、ラリースミスの持ち味の一つとなっています。
ネイティブアメリカンは、鳥の中で最も勇猛で飛翔能力の高いゴールデンイーグルを神聖な鳥として崇めてきました。
そのゴールデンイーグルを、ラリースミスは国境も人種も超えて自由に羽ばたく存在と考え、ブランドの象徴としてロゴマークのモチーフに選びました。そして、ゴールデンイーグルの羽を、代表的なモチーフの一つに掲げています。
中でも、鳥の翼後方にある長くて強い「風切羽(かざきりば)」を象った「KAZEKIRI FEATHER」は、ブランドのアイコンとも言えるコレクションになっています。
鳥が飛ぶ方向を定める際に重要な働きをする羽、それが風切羽です。
ラリースミスにとって風切羽は、「未来を切り拓く」羽。この羽が、自分の夢に向かって進む全ての人にパワーを与える存在になれば……そんな思いを、ラリースミスはKAZEKIRI FEATHERに託しています。
シルバースミスとは、銀細工職人を意味します。林田吉史はそのシルバースミスであり、ジュエリーデザイナーです。もともとモノ作りが好きだったこともあり、ネイティブアメリカンの手仕事とモノを作る姿勢に強く惹かれ、シルバージュエリーの世界に進みました。
林田の銀細工と鍛冶の技術は、ほとんどが独学によって身につけたものです。しかし、その技術だけが全てなのではありません。米国のネイティブアメリカン居留地へと赴き、アーティストとの交流を通してネイティブアメリカンの文化に触れ、技法を学びました。そうした経験も大切だと考えています。身につけるべきことが尽きないからこそ絶えず研鑚し、自分を進化させ続けるのです。
林田は、ネイティブアメリカンのモノ作りの姿勢を模範としつつ、日本人の発想と感性で、人の心に響くシルバージュエリーを追求していきます。